(日) 00:00 感想
面白い話を書かなきゃ、という気負いかな。あと、たとえ習作でも失態は犯せない、
みたいなものが悶々と。思いつきやネタはメモに溜まる一方。形にならない。
……ところがね、畳に寝転んで窓の外の空を見てたら、なんか詩的な気持ちになって。

アンテナ        夕街昇雪
三枚に下ろした飛行機みたいな 鉄の骨
きっ と一方向を向いて聞き耳を立てている
複雑な理論で複雑な形状をした 鉄の骨
空のひび割れのように 静かに聞き耳を立てている

詩を一つ書くとなんか、書くのが楽になったのれす。小説一本書いちゃうぐらい。
ルカ ─楽園の囚われ人たち─<七飯宏隆>
第11回電撃小説大賞の大賞受賞作。うん、これは面白かった。あとライトノベル
読者が、ライトノベルに何を求めているのかが少し解った。多分、特権と苦悩と、
ある解決。解決の形は作家に任されている気がする。ただ、読者は自分を納得させて
欲しい、という注文を突きつけてはいる。
一冊できっちり終わっている事に好感が持てた。ヒット作とされるライトノベルの
遅々とした展開は、水で薄めてまで巻数を増やしたいの? という邪推をしたくなる程
タルい。ドクロちゃん面白いのに勿体無い。ノリだけで最後まで読むのは辛く、
途中で放置。どうやらあちきは、電波男になれないらしい。
電波男<本田 透>現代オタクの基礎知識、みたいな側面も。内容は
キモイ伝
が面白かった人なら面白いと思う。てかキモイ伝は的確な概要説明になってます。
筆者がOneという美少女ゲームを通して自己嫌悪・自己否定病・みじめ中毒、「永遠」、
障害者への愛などを語る場面があります。「障害者への愛」以外は全て、内向きには
中二病
、狭い範囲への外向きには
セカイ系
という言葉で名づけられ、中高生向け作品を意識する人々は避けて通れない概念だと
思います。

●DQNという言葉が出来るはるか以前。連れに「DQNと分かり合えないのかなぁ?」と
問うと、「分かり合えないんだよ、連中とは」とけんもほろろな答えを頂きました。
●電波男によれば、阪神大震災当時、ボランティアの顔して被災した女の子をやり逃げ
した、なんて火事場泥棒のさらに上を行く外道がいたという。そんなの小説でも書けない。
●仕事場にリアル岸和田少年愚連隊な絵師がいます。でも、そんな風には全然見えない
シャンとした容姿で、釣りや温泉や車の改造が大好きな落ち着いた好青年です。
日常にガンの飛ばしあいがある話。拉致られて廃ビルに監禁された話。プロレスラーと
組み手をしてやり込められた話。決して力自慢するわけでもなく、そんな話をさらりと
できる不思議な人です。三十代になれば人間として大きく丸くなれる、という事なの
かなぁ。でも失踪日記なんか読ませたら、何の未練も無くポーンと会社辞めそう。
失踪日記<吾妻ひでお>おおー、面白い。“あじまテイスト”で描かれた
漫画が絶妙のユーモアになっている。多分“絶妙オブ・ザ・イヤー”。事実は小説より
不条理なり、なんつって。
エッセイ漫画だろ? なんて舐めないで。中二病もセカイ系もしかと見よ。世の中は
こんなに面白い。そしてこれも一端に過ぎないほどこの世は“豊か”なのだ。
……ちょっとゴーダ哲学堂を引用。「そういうお前をわしゃ食った」みたくズルイ
言い方だけれども。
ここまで描けたのは、やはり喋ることと同じように自然に漫画が描けるからこそと
いう仮説はどうかな。ただ絵日記を描いているだけなのに、自然にあさりちゃん
テイストになってしまう
室山まゆみ
とか。あと、自分に嘘をつかないという事かも知れない。
吾妻ひでおも室山まゆみも、「自分に嘘をついた作風」には見えない。
何を描いても滲み出てくるものがあり、それが持ち味になっている。
漫画家さんは、漫画で日記を描くといいかもですよ。持ち味が出るかも。