(日) 00:00 感想
それでもボクはやってない<監督:周防正行>

伊丹映画なら必ず悪役を置くだろう。その代わり、宮本信子の役があまりに正義に描かれ、きっと理想的に過ぎる面があるだろう。ま、それも分かりやすくていいのだけれど。
本作では誰かを悪役にしたり、正義にしたりといった、余計な脚色が一切排されている。
役者の演技さえ否定している。容赦のないリアリティ。その非情さに、自分は終始涙腺が緩み気味でした。せめて嘘だと言ってくれるのなら、こんなつらい気持ちにはならないのに、と。
これはフィクションの皮を被ったドキュメンタリーだ。フィクションだから、ノンフィクションを表現してもいいというアプローチ。珍しいのでは?
“Shall we ダンス?”的なものを求めてカップル(……え、表現古い?……じゃあアベック)が見れば、日本裁判制度の壮絶な現状にげんなりし、「今日は……帰ろうか」という気分になること請け合いだ。
他人の人生を見せ物と捉える裁判傍聴マニアが嫌いだ。それで北野誠も嫌いになったのだが、
裁判には──特に社会的影響が大きいわけでもない個人的で小さなものだとしても──
物凄いドラマがあるのだとは薄々感じていた。
しかし自ら忌み嫌う裁判傍聴をするわけにはいかない。ところが、本作ならなんのわだかまりもなく疑似裁判を傍聴し、被疑者を中心とした状況に触れることができる。
そしてそれは男性なら、些細なきっかけで誰にでも起こりうる恐ろしい罠なのだ。
どんなホラー映画よりも恐ろしい。
満員電車に乗るのがとっても嫌になる映画でした。

「2006年に初めて体験した」お勧め作品をご紹介。
●映画・映像部門

一位・パプリカ<監督:今敏>
監督のやりたかったことが作品にがっしりかみ合っている。今さん、パプリカやったらこれ以上に自分に合う作品に出会えないんじゃねーか? って気がするほどの妄想完成度。
エンディング曲はネットで聴かずに行けば良かった気がする……。
二位・座頭市あばれ火祭り<監督:三隅研次 出演:勝新太郎>
冒頭からなべおさみの競り口上が聞かせる。勝の座頭市、滑稽でカッコイイ。
たけしがオマージュを捧げたのも分かる。作品によるけど……やっぱ勝新だね。
正司歌江・正司玲児の茶屋で爆笑w ほんまよぉ動くオバハンやなw 
全盛期同士なら余裕でダウンタウンや紳竜に勝つと思う破壊力。
そして森雅之の闇公方が怖くて威厳がある。三下のように恫喝などしない。
ただそこにいるだけで命の保証が無くなるほどの迫力。
三位・佐賀のがばいばあちゃん<原作:島田洋七 監督:倉内均>
ばあちゃんのパワフルぶりが魅力有りすぎ。演出は昭和時代の喜劇だけど、笑って泣けるいい映画だなと。たまにはこういうベタなのもいいなぁ。
原作小説も中々いいです。
既に漫画化されてていい感じなんだけど、それはそれとして、漫☆画太郎画伯に真面目に再漫画化してもらえないですかしら? や、そのぐらいあの婆さんにはパワーがあるんです。青島“いじわるばあさん”幸男氏が亡くなった以上、これだけのパワフル婆さんを表現しきれるほどの実力あるBBAA(ババア・アーティスト)は画伯しか居ないんで。
四位・近松物語<監督:溝口健二>
脚本が凄い。エロゲー「君が望む永遠」並みの巻き込み力で駆け落ちっぽい状態にし、段々お互いが好きになり、そして秘めた思いを(ちょっといきなり気味だが)出して本当に駆け落ちになっていくという転がり具合。
シーンの合間合間に別の登場人物たちの様子が挿入され、目先が変わって飽きさせない。
別の人物の思惑が分かり、それぞれ行動し、実に物語が多層的に厚みを増す。
原作は近松門左衛門の世話物、三大姦通物の一つ「大経師昔暦」。
溝口監督の雨月物語も見たけど、特に美しいとか思わなかったので自分には映像センスが
ないのでしょう確定ぐふorz。
五位・機動警察パトレイバー2 the Movie<監督:押井守 原作:ヘッドギア>
アニメ見てここまで人間ドラマを感じたのは初めてだった。世間がアニメをオタク趣味と馬鹿にするならどうぞ、そのかわりホイチョイが作った映画を見て物を買わされてればいいじゃんって思った。むしろそんなキミたちが飼い殺しで可哀想だねとさえ。
アニメ夜話で先に見ちゃってネタバレ気味だったけど、それでも面白かった。
風景萌え~。
六位・わが町<原作:織田作之助、監督:川島雄三>
自分の時代、娘の時代、孫の時代。三重構造というのに舌を巻いた。
自分の時代では自分のことだけを考えて嫁に苦労をかけ、反省し娘を立派に育てる。
娘に言いよる新太郎と男の勝負をするのはまだ他あやんが若かったからできたこと。
孫の時代ではポン引きを老人にさせるチンピラヤクザ共に一方的に殴られるばかり。
変わらない自分、変わってゆく世間。
「血と骨」と同じように“あるDQN男の一代記”だが、こちらの方が数倍良かった。
ラストシーンは落ち着いた美しさでとてもやさしい。
七位・時をかける少女<監督:細田守>
どうして軽く感動できるのか不思議だったけど、オトナアニメVol.2に寄稿された氷川竜介先生の評論を読んで目から鱗が。結構作り込まれた映画だったんですねぇ。それを感じさせないのが力量か。
上にも書いた君が望む永遠ってエロゲーは、上手いけど嫌い。読者を罠にはめて無理矢理感動させるようなそのマッチポンプな構造が。この時かけもそうだったんだと知ってからは上手いけどあんま好きじゃない作品になりました。
もちろん、物語っていうのはある程度マッチポンプな物なんですけど……それにしても、読者を否応なしに罠にはめる感じが……なんか、やっぱり嫌です。
大林宣彦監督・原田知世主演版も見ましたが、あっちは脳天気に清く正しいアイドル映画。
見てて清々しく萌えましたよ。エンディングロールがほのぼのしてていいんだこれが。
八位・あらしのよるに<原作・脚本:きむらゆういち 監督・演出脚本:杉井ギサブロー>
冒頭から「あれっ、これって子供向け映画じゃなかったっけ!?」とビックリする。
そして乙一の小説のように引き込まれる脚本が素晴らしい。これは子供を持つ親に勧められる。
絵のクオリティも映画中一貫して高い。竹内力の狼ボスこえええw
あとエンディングがAikoだった。時かけやってたら再ブレイクしてたのかなぁ。
九位・蝿男の恐怖<原作:ジョルジュ・ランジュラン 監督:カート・ニューマン>
古き良きSF映画。冒頭から謎、ついつい引き込まれる。
ラスト近くの行動は思わず突っ込んだけど、今と異常さに対峙できる心の強さが
違うんだろうなぁ。女性が怪物に叫び気絶する頃の話だし。
最後のメッセージを送る蝿男にグッと来た。と同時に、何か気になってたあの小道具が
効果的に使われてて感心した。ああ、こうやって丁寧な仕事で小説を映像化できる
んだなぁと羨ましくなった。
十位・王と鳥<監督:ポール・グリモー>
楽しいわぁ。テーマとかどうでもいいけど、今見ても楽しいっていうのは凄いと思う。
その他

マジック・ボーイ<製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ>古い映画だけどセンスあるー。
決闘! 高田馬場<作・演出:三谷幸喜 出演:市川染五郎>

普通よりやや面白い。三谷幸喜が分かりやすく演出している点に苦心が伺える。
まぁ元の話からしてこんなもんかなぁという感じ。生だとひと味違うとは思う。
ただカーテン使いはカッコイイね。あれは光ってた。あと音楽も頭に残る。

Ray/レイ
のび太の恐竜2006
トム・ヤム・クン!
無敵看板娘(一話のみ)・割と面白い。
女囚701号さそり
獣の群れ

筋書きが良くできている。よく掘り下げられている。練られてる。
ただ旦那が●●●●になるまでがかなり退屈。そこだけ惜しい。

チャーリーとチョコレート工場
うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー

そんなでもなかった。でもうる星ファンでこの世界に浸りきったファンなら、
気持ちを持って行かれちゃうのはすごくよくわかる。

トップをねらえ!
ヒトラー~最期の12日間~

まぁ普通かな。盛り上げる方向の構成がなく起伏がない。
リアリティのお陰で退屈ではなかったけど。

トップをねらえ2
涼宮ハルヒの憂鬱・普通。
ふたりにクギづけ

障害者ネタを笑い飛ばす軽快な映画。
両面テープは、切りたいけど離れたくないという微妙な心理を表すのか。

眠狂四郎 殺法帖

市川雷蔵は男前だなぁ。昔の中村玉緒は可愛いなぁ(TVでネタにされてた)
若山富三郎って結構跳んだり跳ねたり出来るんだなぁ。……ぐらい。
とにかく映像が凄い。光と影、構図。闇貿易商人の隠れ家の怪しげな魅力。
それでいて自然の美しさが目に鮮やかだ。暗い映画館で見せられたら、
どれだけ鮮烈なのだろう。一人苦悩するヒーローなのだろうけど、
畳み掛けが甘い? あまり感情移入できなかった。

父、帰る

生まれて初めて接する父親に感じる違和感。緊張感ある演出とエピソード。
見せ方というよりも設定やシナリオが上手い。甘える兄と距離を置く弟が、
相反する子供の心理を担当している。そしてラスト付近に淡々と描かれる、
父をモノとして扱う描写。初めて弟も「パパ!」と叫ぶ。しかし、帰ってはこない。
演出が下手なのか、単に分かりやすくないだけなのか。あざとくない、
って事はないので単に下手なのかも知れない。自分はこうならずに作れるだろうか。

バタフライ・エフェクト[ディレクターズカット]・ただ後味の悪いオチ。公開版のオチに比べ陳腐。後者の方が身につまされる。
ブラザーズ・グリム
ブルー・レクイエム
座頭市御用旅<製作:勝新太郎>あばれ火祭りの方が面白い。仁鶴うざい。三國連太郎の小物っぽい演技にちょっと笑い。
(以下一話のみ)西の善き魔女、ガン×ソード、巷説百物語(アニメ)、ケモノヅメ、
シュヴァリエ、ローゼンメイデン
巷説百物語 飛縁魔

つまらなかった。謎解き部分が視聴者に考えさせることなくほいほい進むところは
実に時代劇らしいが。撮影監督の手腕で単調な絵が少しはましになっている感じ。
役者陣には問題なし。メイン四人と与力、犯人、全て演技が上手くて声がいい。

にっぽん昆虫記

押さえるとこは押さえている脚本。だが冒頭が単調でつまらなく、
方言で何を言っているのかよく分からない。
時代の変遷で生活や仕事が変わっていく過程は面白い。
ところがオチても居ないところで終幕となるので昔の映画だなぁと。

ほしのこえ<新海誠>普通。
0:34レイジ34フン<監督: クリストファー・スミス>つまらない。
226<監督:五社英雄>十五分ぐらいで切った。

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