(水) 01:24 感想
辞退したけどね。なんか恥ずかしくて。
要らない本を寄贈したのに褒められるのが何か申し訳ない。


妖怪研究家ヨシムラ<室井 大資>

おもすれーw ちょっと好き。
のんべんだらりとした妖怪四コマです。
「イヌジニン ―犬神人―」と同じ室井大資さんとは気付かなんだ。


Boichi作品集HOTEL<Boichi>

いいSF。
笑いあり、涙あり。描き込みも異常。
SF入門編にいいと思う。十冊ぐらいしかSF読んでない自分が言うのも何だけど。


絡新婦の理・誤字 P.690 十四行 玄い→黒い
「──この長生きの玄い女神は」
「──この長生きの黒い女神は」
(講談社NOVELS 一九九六年一一月五日 第一刷発行)
読んだのはこっち↓の版。
絡新婦の理 (講談社ノベルス)

こっち↓の方が安い。
文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)
京極堂シリーズを本作まで読んだ限りでは、構成の完成度は最高傑作と言えるだろう。
冒頭や、短い挿入シーンがいい感じ。
(ネタバレ注意)ただしそれは『犯罪やトリックの構成力』ではなく、『小説の構成力』であることを付け加えておく。
事件そのものは込み入ってて話はややこしいが、「ふーん」で終わってしまう内容だ。
根底にある問題はやはり「家族」で、シリーズで繰り返される田舎の名家シチュはちょっと「犬神家の一族」に近い定型(ワンパターンとは又違う?)。それこそ何か作者が抱えるトラウマ──“呪い”なのかも知れない。

前半が退屈なのは、興味が引かれる外連味が足りないからだろう。後半にちゃんとあるんだけどちょっと出すのが遅い。(ネタバレ注意)「変な密室」「秘密の儀式」だけであの量を読むのはつらい。興味を繋ぎとめる力が弱い。小説の構成としてはそこだけ惜しい。

相変わらず、京極堂が真実に気付いた理由や道筋の説明は一切ない。(用意されていない)
そこは中二病的な万能・天才描写と、テンポを落とさないためだとは思うんだけど。
答え当てミステリとしてはアンフェアどころか、これでは読者は参加することが出来ず、目の前で起こっていることの傍観者であり続けることしかない。頭は使うが、事件に心が動かされることはない。キャラの個性を楽しめることはあっても。
だからこれは能動的な迷路脱出ゲームではなく、受動的なジェットコースターなのだ。
そこを踏まえて楽しむ本だろう。

自分で考えさせるのではなく、長文と蘊蓄の読解に疲れ切った脳に判断力を失わせ、無抵抗なところに情報をたたき込んでいく嫌いがある。これは洗脳に近い。(この辺はギャルゲーもメガ単位の長文化により洗脳効果の恩恵を受けている、と常々思っている。)

あまりに聞いたこともない宗教や魔術書を引用してこられても、『自分の読んだこと無い小説』のストーリーについてあれこれ言われているだけで、「へぇ、そうなんだ」としか思えない。
自分の好みとしては、山本弘のように現実の具体例や研究結果などに依る後ろ盾をちゃんと用意する方が好き。SF──それも現実の最先端科学や、歴史──現実に起こった過去の事件を引用されるのなら、私自身が生きている現実という物語と無関係ではないので、とてもワクワク出来るのだけど。
『昔ギリシャのイカロスが太陽に向かって飛んだ』
って話より、
『ライト兄弟より前に、日本人が飛行機を一応は完成させてたんだぜ』
って話の方が身近で興味深い。
憑き物落とし中などは謎解きする必要(=読者に納得させる必要)があるせいか結構具体的な話になり、この感じで全編やってくれればもっと面白いのになぁと思う。


……色々書いたけど批判じゃなくて批評なのであしからず。
だって褒めようと思ったらネタバレなんだもん。
突き詰めると理想的な話は、自分で書くしかないのだなぁ。

京極堂シリーズは「魍魎の匣」「絡新婦の理」だけあればいい。
あれ以外三作は基本、読まなくてもいいと思う。(注:絡新婦から先は読んでない)
このシリーズはどれから読み始めても構わないように書かれているから。