上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
(日) 00:00 感想
まんが極道 4<唐沢なをき>
まんが極道 4 (BEAM COMIX)

 キツいわーもうホントキツい(笑)デビューとか目指してないのに
「どうしてもデビューできないくん(第37話)」が心に刺さる刺さる。
 どうしたらウケるんだろうとか、誰かの云う通りにやればいいのかとか、
ぐらぐら心が揺れ動く感じ。
 捨てきれないこだわり、やりたい事。

 だからって同人を「あんな小っちゃな小っちゃな世界」と切り捨てるのもどうかと思うが。
(出てくる例は唾棄すべき駄目サークル(3巻登場)なのでこのケースだけの話、と言い切れるけど)

 デビュー出来なきゃ、売れなきゃ成功じゃないというなら、プロにならない方が楽しい。
 そう云う話をすると「その人がどこに重点を置くか」という話に行き着くから、
「あんたの美学であんたの好きにすればいい。他人をとやかく云うな」としか云えないはずだ。

 まぁ、それの究極が町山さんが伝える「自分が許せば何をやってもいい」という
アメリカの現状になってしまうわけだけれど。


「漫画家の妻(第38話)」も聞くね、こういう話。
似たような状況、見た事有るしな……。

「パチンカス(第39話)」はネットスラングだけど、
初めて表現する言葉なんだからこのまま日本語になってもおかしくない。
カス。カスなんだよなぁ。ホントにこういう人居るんだよなぁ……。

「いや、そうじゃなくて(第42話)」は一時話題になった
唐沢なをき本人のNHK取材であったイヤな目顛末記。
 とうとう体壊して我慢成らなくて取材キャンセルしたとこまで
そのまま漫画化されています。

「酸欠くん(第43話)」はときおり陥るので我ながら注意が必要。
自分が嫌いな作品を否定する理由とかに使い出が良くてついつい手を出す。
淀川長治先生の「私は(今のとこ)判らない」の教えを忘れ気味。

「矜持(第44話)」も示唆に富んでいる。
「エロ漫画ってもう一般社会に居場所があるもんじゃなかったの!?」
「みんなコミプ(引用者注:コミケ?)行ったことないのか!? あんなにたくさんの人間がエロ漫画買ってるじゃん」
「同人誌だってエロゲーだって市民権 得てるじゃん」

 一昔前なら「世間が狭い」と言い切れたけど、コミケがでかくなりすぎ、
ある程度は食うに困らなくなっているから、上記の言葉もそう間違いとは
言い切れなくなっている。
 もちろん私は大手同人ではないし食えないので「小っちゃな世界」だが、
商業に行けば売れるってわけじゃないんだから。成功という船に
全員が乗れないのはみんな知っている事だ。
 そんなの一握りしか成れないって判ってるのに多くの人が宝くじを買うわけだけど。


「これを成し遂げれば正しい」「これを目指すべき」ってものが無くなってるよね。



超弩級少女4946 1<東 毅>
超弩級少女4946 1 (少年サンデーコミックス)

超弩級少女4946 / 2 (少年サンデーコミックス)
圧倒的に「正しい」現実が主人公マコトとまなを襲う。
それでも「自分たちの想い」が正しいのだと確信し、やっぱり疑問を抱き、
それでも進んでいく。
強力なライバルは勝つための噛ませ犬ではなく、
自分の弱点と向き合う事そのもので。
葛藤に真っ正面に向かい合う姿こそが「少年漫画」であり、
その姿勢だけは「間違っていない」と信じたい。

巨大娘好きなんで割と萌える。エロ度は上品に抑えられている。
「まんが極道」を踏まえていると、商業的な「萌えニーズ」「小ネタウケ」にもちゃんと対応しつつ、自分の描きたい事を描こうと戦っている作者の姿勢が透けて見える。
冬コミで応援してますって声かけた漫画家さんの一人です。
漫画も面白いし、その葛藤が呉越同舟する、苦しいがプロとしての姿勢も応援してます。


むかし古本屋で見つけた漫画を思い出した。
CAN☆キャンえぶりでい 5<ひすゎし>
CANキャンえぶりでい 5 (少年ジャンプコミックス)

鳥山明の初期アシスタントさんのデビュー作。
五巻に「大愛情物語の巻」(ソースはネット、タイトル間違ってたらごめん)というのがあって。
身長2・5メートルぐらいの女の子に好かれた男が、
周りの奇異の目を気にして邪険にするのだった──というお話。
最後は「でかい女と付き合う」事をバカにされた男が、
「そんなの好き好きじゃん」(もう一言あったが失念)
と、逆ギレや怒るでもなく、自然な笑顔でさらりと答えるのだ。

もう決して揺るがないであろう価値観と、
かといって他人に押しつけない姿勢が素敵だった。
他人に喧伝しないという事はこの漫画自身のように忘れ去られていくのだろうけど、
その志は何よりも美しいと思った。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。